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アメリカ 所得税を関税で代替できるのか?

トランプ大統領が、将来にわたって、所得税を関税で代替していくというコメントを出しているので、実際に、アメリカの所得税と関税の数字をみてみた。

2025年10月のアメリカの歳入額(連邦政府)は4,044億ドル、歳出は6,887億ドル、収支は2,844億ドルの赤字であった。内訳をみると所得税(Individual Income Taxes)が2,170億ドル(53.7%)、年金(Social Insurance & Retirement)が1,280億ドル(31.7%)と、この2つで全体の85.4%を占めている。関税は310億ドル(7.7%)であった。

2025年度(2024年10月~2025年9月)合計でみると、歳入が5兆2,346億ドル、歳出が7兆0,100億ドル、収支が1兆7,754億ドルの巨額の赤字

一方、輸入総額と関税額(計算上)と関税率の推移をみてみると、相互関税が発動した2025年4月以降、関税率が、それまでの約2%から、一気に8%を超える水準に跳ね上がっている。輸入総額は、関税の増加もあり、減少傾向にある。

所得税を関税で代替できるかという点では、現実的ではなく、関税額が大幅に増加した2025年4月以降、8月までの小計でみてみると(輸入データは、連邦政府閉鎖の影響で8月分までしか公開されていない)、歳入が2兆4,307億ドル、所得税が1兆2,882億ドル(2025年10月の割合53%を適用)、輸入総額が1兆3,511億ドル、関税額(計算上)が1,224億ドル(歳入額の5%)。関税額は所得税の約10分の1に過ぎず、所得税と輸入総額がほぼ等しい水準。所得税を関税で代替しようとすると、単純に輸入総額と同じ額を関税として徴収する必要があり、もし、輸入総額が減少しないと想定すると、単純に95%~100%の関税率を掛ける必要がある。

(データ:FiscalData (Tresury gov.)、ITC)

【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。

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