アメリカのEU(27ケ国）との2025年前期（1月～6月）の輸出入、貿易収支をみてみた。
2024年通年のアメリカのEUへの輸出額は3,698億ドル、輸入は5,975億ドル、貿易収支は2,277億ドルの巨額赤字。2025年前期（1月～6月）の小計でも、輸出額が2,019億ドル、輸入が3,445億ドル、貿易収支が1,426億ドルの巨額赤字となっている。他国含めたアメリカの輸出入、貿易収支は【アメリカ 2025年前半（1月～6月） 輸出入、貿易収支（国別）】参照。
月次でみてみると、2025年1月～6月では、アメリカからEUへの輸出で平均2.8％増、輸入は平均4.5%減と、輸入が減少したこともあり、貿易赤字は平均で19.5%と大幅に減少している。
アメリカのEUからの輸入を2025年前期（1月から6月までの小計）の品目別でみると、化学工業生産品（製薬含む）が1,414億ドル（41％）と圧倒的に大きく、次いで、一般機械の443億ドル（13％）、そして、自動車・部品の261億ドル（8％）となっている。
2025年1月～2025年6月小計 アメリカのEUからの輸入品目別割合
2025年1月から6月までのアメリカのEUからの輸入小計を品目別の貿易収支でみると、化学工業生産品（製薬含む）が956億ドルの赤字で、赤字額全体の67％と突出して大きくなっている。次いで、一般機械の242億ドル、そして、自動車・部品の177億ドルの赤字と続く。一方、アメリカからみて貿易黒字の分野は、動物性・植物性生産品、航空機・部品、鉱物性生産品の３品目にとどまっている。結局、EUとの間では、化学工業生産品（製薬含む）の輸入をどう扱うかに尽きると言える。それもあり、製薬の輸入に100%の関税を掛けつつある。
2024年1月～2025年6月 アメリカのEUとの輸出入、貿易収支推移（百万ドル）
【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。
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