今の世界を知る "元の" データ集 / 統計分析、因果推論

アメリカの輸入額、分析と予測

2014年から2024年11月までのアメリカの輸入額(月次および6ケ月移動平均)推移は以下のグラフのようにコロナ禍以降、増加傾向にある。
また、10月、11月の輸入額には、次期トランプ政権前の駆け込み輸入傾向は現在のところ、特にみられない。


2014年から2024年11月までのアメリカの輸入額(月次および6ケ月移動平均)(百万ドル)


輸入額を時系列データとして分解してみると、

  • 季節変動:12月毎(10月ごろにクリスマス商戦用に輸入額が増加)
  • 長期トレンド:コロナ禍以降(2020年後半以降)上昇傾向
  • 残差:やはりコロナ禍が特異値となっている(2階差分をとると定常)


試しに、pycaretで実輸入額データのみで非常に単純に、2025年末までの予測(ARIMA)をしてみると、2024年の実輸入額は、予測を上回っているように思われる。事実、輸入だけではなく輸出も大きく増加していることから、経済的には過熱気味とも読める。


輸入額(百万ドル)の実データ(黒線)と予測(青線)、信頼区間  


2024年12月、2025年1月、さらにトランプ次期大統領の就任以降のデータを継続して見ていきたい。


【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。