米国債は、トランプ関税の重要な要素であるので、U.S. Department of the Treasury サイトで最新データ(2025年1月まで)をみてみた。
直近の米国債(10年)の額面利回り率(Daily Treasury Par Yield Curve Rates)をみてみると、2025年4月4日から11日にかけて2.24%と大幅に上がっており(2025年1月2日から4月11日までの平均率はマイナス0.03%)、報道のとおり、これが相互関税延期のトリガーになったと思われる。
2025年1月2日から2025年4月11日までの米国債(10年)の額面利回り率推移(%)

2025年4月4日から2025年4月11日までの各種米国債の額面利回り率推移(%)

一方、海外が保有している米国債の2025年1月の保有総額は、8兆5,264億ドルで2024年12月(8兆5,262億ドル)からほぼ変動なし。過去3ケ月(2024年11月~2025年1月)の平均変動率はマイナス0.43%、過去1年(2024年2月~2025年1月)の平均変動率は0.58%、2022年1月~2025年1月の平均変動率は0.30%。
2022年1月~2025年1月 米国債保有額推移(10億ドル)

2025年1月で保有額一番は日本の1兆793億ドル(12.7%)、次いで中国の7,608億ドル(8.9%)、そして英国の7,402億ドル(8.7%)と続く。
2025年1月の主要国の保有額状況

過去12ケ月(2024年2月~2025年1月)の主要国の保有額推移(10億ドル)



日本の過去12ケ月(2024年2月~2025年1月)の基本統計量では、平均が1兆1,051億ドル、中央値は1兆986億ドル。最大値は1兆1,670億ドル、最小値は1兆598億ドル、標準偏差は295億ドル。この期間データからの95%信頼区間幅は1兆864億ドル~1兆1,238億ドル。もちろん現実は、簡単でなく複雑であるが、一つの指標として、この幅外の値になってきたとすると、確率的に”まれ”な事象が起こっている(介入や突発的要因等)と考えられる。
日本の過去12ケ月(2024年2月~2025年1月)の基本統計量

日本の過去12ケ月(2024年2月~2025年1月)の箱ひげ図
