今の世界を知る "元の" データ集 / 統計分析、因果推論

アメリカ 中国への関税 対象外商品(スマートフォン等)

トランプ新政権は、中国へ10%の追加関税を実施し、さらに追加で10%(合計20%)となってきている。中国もアメリカからの輸入品に関税を掛け、報復合戦になっていっている。

2025年2月12日付け、対中国関税一覧表(第一回目の10%関税分)

リストは対象になっている商品のHSコードが列挙してあり、ほぼすべての商品が対象で、只々すさまじいリストである。

ただ、よく見てみると、トランプ政権のしたたかな戦略も見て取れる。つまり、関税を掛けていない商品も存在し、それが、以前の記事でも書いたが、スマートフォン、タブレット、ビデオゲーム用のコンソール又は機器、という一般庶民や若い世代にとっての必需品には関税がかかっていない。これらの商品が値上げされると、影響が大きく、支持率にも響くからという観点ではないかと思われる。

上記関税対象リスト中、スマートフォン(HSコード:851713)はリストにない。

同様にタブレット(HSコード:847130)もリストにない。

ビデオゲーム用のコンソール又は機器(HSコード:950450)もリストにない。

これら3商品の2024年の中国からの輸入額小計は846億ドルで、輸入総額(4,298億ドル)の20%にも及ぶ。

2022年~2024年のスマートフォンなど、関税がかかっていない商品(百万ドル)

【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。