2024年通年の貿易収支確定値がITCウェブ上でも公表されたのでみてみた。
2024年12月末時点での輸出総額は2兆645億ドル、輸入総額は3兆2,535億ドル、貿易収支はマイナス1兆1,889億ドルで、2023年から1,344億ドル増加し、過去10年で最大の貿易赤字となっている。
過去10年間の輸出入、貿易収支(百万ドル)

国別の貿易収支でみると、中国がマイナス2,862億ドルで1位、メキシコがマイナス1,698億ドル、次いで、ベトナムのマイナス1,283億ドルの3位。日本はマイナス715億ドルで7位、カナダは、マイナス641億ドルで9位。
注目すべきは、対中国の貿易赤字が減少している分、メキシコとベトナムへの赤字が増えている点で、製造拠点がそれら両国に移っていることを表していると思われる。
事実、貿易赤字の過去10年間のCAGRは中国がマイナス2.6%と減少している一方、メキシコは12.6%、ベトナムは17.4%と大幅に増加している。日本は0.5%増とほぼ一定。
2015年~2024年(通年)主要国との貿易赤字の推移(百万ドル)(*グラフの額は貿易赤字額 * (-1)で正の値に変換)

2022年~2024年(通年)、アメリカからみた貿易赤字国トップ20(百万ドル)

もちろんすべての国に対して貿易赤字ではなく、貿易黒字の最大国は、オランダのプラス577億ドル(1位)、次いで香港の220億ドル(2位)、そして、イギリスの118億ドル(5位)、ブラジルの70億ドル(7位)となっている。
オーストラリアも179億ドルとアメリカは大きく黒字となっており、鉄鋼、アルミの25%関税を免除対象になるかもしれない。つまり、黒字国に対しては優遇すると思われ、オランダ、イギリス、UAE、ブラジルなどの黒字国が、これらの対象になっていく可能性は高い。
2022年~2024年(通年)、アメリカからみた貿易黒字国トップ20(百万ドル)


2024年輸入額(*見やすくするために輸入額の対数をとっている。黄色:輸入額大 ⇔ 濃い紫色:輸入額小)

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【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。