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アメリカ、日本間の貿易収支 赤字、黒字分野 トップ10

トランプ新政権は、メキシコ、カナダ、中国に高関税を掛けると宣言し、それを基に有利な条件を引き出す戦略に出ているが、これらの国の次には、EU、日本、韓国などがターゲットになってくることは容易に想像できる。

そこで、アメリカと日本間の貿易収支、特に、アメリカから見た貿易収支赤字、黒字のトップ10分野詳細をHSコード4桁でみてみた。

まず、アメリカからみて貿易収支赤字分野トップは、乗用自動車その他の自動車(HSコード:8703)のマイナス370億ドル、次いで、自動車部品(HSコード:8708)のマイナス62億ドル、そして、ブルドーザーなど(HSコード:8429)のマイナス49億ドルと続く。特に自動車及び部品の赤字小計(マイナス432億ドル)は、全体の貿易収支赤字額656億ドルの66%を占めており、メキシコでの製造分も含め、追加関税を盾に、さらなる圧力をかけてくると思われる。

一方、アメリカからみて貿易収支黒字分野トップは、液化石油ガス(HSコード:2711)の86億ドル、ついで、航空機(HSコード:8800)の44億ドル、そして、トウモロコシ(HSコード:1005)の25億ドルと続く。分野としては、アメリカの得意な農産品、液化石油ガスや石炭などの天然資源、コンピュータ、医薬品等であり、これらの分野では、報復関税を避けるために、アメリカへの輸入への関税はかけずに、政治的に日本への輸入圧力をさらにかけてくるのではと思われる。

2024年11月末までのアメリカからみた対日本、貿易収支の赤字、黒字トップ10分野(百万ドル)

2022年、2023年、2024年11月末までのアメリカからみた対日本、貿易収支の赤字、黒字トップ10分野(百万ドル)

【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total / FAS額l)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。