アメリカ市場が不安定で、中国もカントリーリスクがあるという状況下、市場としてインドの相対価値は今まで以上に上がっていくと思われる。そこで、インド政府のMinistry of Commerce and Industryから2025年2月時点の最新データをとってみた。
2024年4月~2025年2月までのインドからの輸出額は3,956億ドルで、エンジニアリング製品が1,058億ドル(28%)で一番多く、次いで、石油製品の586億ドル(16%)、そして電気製品の340億ドル(9%)と続く。昨年同時期との変動率比較では、電気製品が33%と一番伸びている。これはiphoneではないかと思われる。インドといえば、製薬のイメージも強いが、輸出額は268億ドル(7%)と全体の割合としてはさほど大きくない。
インドからの輸出額(百万ドル)(2024年4月~2025年2月)

次に、2024年4月~2025年2月までのインドからの輸出対象国でみてみると、アメリカ向けが764億ドル(28%)でトップ、次いでUAE向けが333億ドル(12%)となっている。日本向けは57億ドルで2%にすぎない。
インドからの輸出対象国(2024年4月~2025年2月)

2024年4月~2025年2月までのインドの輸入額は6,567億ドルで、石油・原油関係が1,667億ドル(27%)で一番多く、次いで、電気製品の893億ドル(14%)、そして金の535億ドル(9%)と続く。昨年同時期との変動率比較では、化学原材料が54%と一番伸びている。
インドの輸入額(百万ドル)(2024年4月~2025年2月)

2024年4月~2025年2月までのインドの輸入対象国でみてみると、中国からが1,038億ドル(20%)でトップ、次いでロシアからが583億ドル(11%)となっている。日本からは171億ドルで3%にすぎない。ロシアからの割合が大きいのが注目される。また、輸出、輸入両方に言えることとして、一国への極端な依存構造がないことと思える。
インドの輸入国(2024年4月~2025年2月)
