トランプ関税により、2025年になって、アメリカの輸入総額は、駆け込み関税の後、一気に減少と、大きく振れている。
2015年1月~2025年6月までのアメリカの輸入総額(百万ドル)の推移

もちろん、輸入額は、様々な要因が複雑に関係した結果なので、単純な予測は難しい。ただ、それでは、分析にならないので、あえて、輸入総額のみで機械学習(PycaretとProphet)の時系列分析により、2025年1月から12月までを単純予測をして、実際の輸入総額と比較してみた(学習データは、2015年1月から2024年の10年間分)。下図でグリーンの折れ線が、2024年1月~2025年6月の実輸入額(百万ドル)グラフ、オレンジの折れ線が、Prpphetによる2025年1月~12月予測輸入額(百万ドル)、そしてピンクの折れ線がPycaretによる2025年1月~12月予測輸入額(百万ドル)
PycaretとProphetによる単純予測と実輸入額のグラフ(百万ドル)

Pycaret、Prophetとも予測額には差異があるものの、同じ傾向をしめしており、毎年2月は季節変動で輸入額は減少するので、予測でも2025年2月は減少予測となっているが、実輸入は、駆け込み輸入で輸入が大幅に増加した。その一方、2月以降は、長期傾向に従い、徐々に増加との予測になっているが、実輸入額は、駆け込み輸入の反動で大きく減少している。実輸入額と予測額との差異を見てみると、1月~3月は、実輸入額が訳400億ドル前後上回っている一方、4月~6月は徐々に実輸入額の方が小さくなり、6月では予測輸入額より約300億ドル低くなっている。
2025年1月~6月の実輸入額とProphetとPycaretによる予測輸入額との差異(百万ドル)

2024年1月~2025年6月の実輸入額とProphetとPycaretによる予測輸入額(2025年1月~12月)(百万ドル)

これらはあくまで予測の一例で、他の要素を加味した多変数での分析なども必要と思われるが、トランプ関税の影響により大きく乱高下していることは確かと言える。
(ソースコード)
【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。
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