中国との関税の報復合戦が続いているが、一般消費者に直接的に大きく影響するのが、スマートフォン(HSコード8517.13)だと思えるので、2025年に入ってからのアメリカの輸入状況をみてみた。
2025年2月の輸入総額は75億ドル(1,671万台)で、過去12ケ月(2024年3月~2025年2月)の輸入額は623億ドル、輸入台数は1億7,060万台であった。1月から2月では、輸入額は6.8億ドル増加しているが、輸入台数は、86万台減少している。12ケ月間の平均輸入単価は357ドル。
過去12ケ月(2024年3月~2025年2月)のスマートフォン輸入額(千ドル)、輸入台数(千台)及び中国の割合



注目すべき点として、中国からの輸入割合が、2024年は70~80%で推移していたのが、2025年1月には61%、2月には55%まで減少してきていることがある。それを補っているのは、インドからの輸入で、2024年3月には14%であったのが、2025年2月には26%とベトナムの18%を超してきている。おそらくiPhoneの生産がインドにシフトしているからだと思える。3月以降、さらに関税の影響で、この傾向は顕著になっていくのではと推測できる。
過去12ケ月(2024年3月~2025年2月)の中国、インド、ベトナムからのスマートフォン輸入割合推移

2025年2月のスマートフォン輸入割合(国別)

【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。