今の世界を知る "元の" データ集 / 統計分析、因果推論

アメリカ 自動車、自動車部品 輸入額 2025年2月

4月3日から自動車に25%の関税がかかっており、その影響が注目されるが、現時点で貿易統計が出ている2月末までの状況をみてみた。

2024年通年での自動車(HSコード:8703)のアメリカの輸入額は2,244億ドル、自動車部品(HSコード:8706、8707、8708)は843億ドルで、年平均は、自動車が187億ドル/月、自動車部品が70億ドル/月となっている。2025年にはいると、1月は自動車が182億ドル、自動車部品が66億ドルと小計では、前月からマイナス1.1%。2月には自動車が156億ドル、自動車部品が64億ドルと小計では、前月からマイナス11.0%と大きく減少している。

2024年1月から2025年2月までのアメリカの自動車、自動車部品、輸入額推移(百万ドル)

2024年1月から2025年2月までのアメリカの自動車、自動車部品、輸入額合計の月毎の増減率推移

関税前に駆け込みで増加するなら理解しやすいが、大きく減少している状況はどのように考えればいいのか?大きな割合を占める自動車(HSコード:8703)でみると、季節変動として、8月から12月に増加し、1月2月は減少の傾向があるが、過去4年(2022年~2025年)の月次輸入額(百万ドル)推移をみていると、やはり1月、2月は、季節変動で減少傾向が見て取れるが、2025年1月~2月は、マイナス14%と過去3年と比較して大きく減少している。これは1月、2月の販売数の減少と連動していると思われる(輸入額が減ったので販売数が落ちたのか、販売数が落ちたので、輸入額を減らしたのか、検証が必要)。

過去4年(2022年~2025年)の月次の自動車輸入額(百万ドル)推移

次に国毎にみてみると、メキシコからの輸入がトップで、2025年2月には自動車が36億ドル、自動車部品が28億ドル(小計額は全体の28%)、次に日本で自動車が31億ドル、自動車部品が4億ドルであった。上位5ケ国の小計額は、全体合計の81%に及んでおり、これら5ケ国が関税の主要ターゲットといえる(メキシコ、カナダからの輸入には、日本メーカー分も含まれていることから、実際の日本の割合はさらに大きくなる)。

2024年1月~2025年2月、自動車、自動車部品輸入額国別割合

2024年1月~2025年2月、自動車、自動車部品輸入額国別輸入額(百万ドル)

2024年1月~2025年2月、アメリカの日本からの自動車、自動車部品輸入額推移(百万ドル)

【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。