アメリカの鉄鋼(HSコード:72)、鉄鋼商品(HSコード:73)、アルミ(HSコード:76)の輸出入、貿易収支の状況は以前の記事【鉄鋼、アルミへの25%関税】でまとめたが、鉄鋼商品の詳細をさらにみてみた。
2024年の鉄鋼商品(HSコード:73)のアメリカの輸入額は、494憶ドルで、中国からの輸入が119億ドルでトップ、次いで、メキシコの73億ドル、そしてカナダの54憶ドルと続く。日本からの輸入は、17憶ドルで8位であった。
品目では、構造物及びその部分品(橋、橋げた、水門、塔、格子柱、屋根、屋根組み、戸、窓、戸枠、窓枠等)(HSコード:7308)が88億ドル(18%)で一番多く、次いで、その他の鉄鋼商品(HSコード:7326)が71億ドルで2位、そして、鉄鋼製のねじ、ボルト、ナット等(HSコード:7318)の65憶ドルと続く。日本は、HSコード:7304の鉄鋼製の管及び中空の形材(5億ドル)、HSコード:7302のレール、ガードレール、ラックレール等(0.7億ドル)が品目内でトップとなっている。
2024年、アメリカの鉄鋼商品(HSコード:73)の輸入詳細(国別、品目別)(百万ドル)


過去10年間(2015年~2025年1月まで)の主要国の推移(百万ドル)をみてみると、中国からの輸入が圧倒的に多く、2020年のコロナ禍で一旦落ち込み、2022年にピーク後、落ち込み、それ以降回復していっている。また、2024年12月から2025年1月にかけては、ドイツ以外の国では、大きく輸入額が増えており、関税前の駆け込みと思われる。
2015年~2025年1月までの主要国からの輸入額推移(百万ドル)

【注記】
データの引用元は、ITC (U.S. International Trade Commission)。
輸出額は、ITC データベースの輸出合計 (Exports: Total)。
輸入額は、後日、関税率などを算定すること等もあり、一般輸入額 (Imports: General)ではなく、消費用輸入額 (Imports: Consumption)の関税評価額(Customs Value)を引用している。