アメリカの産業別のフルタイム(もしくは同等)人件費(年賃金)の平均をみてみた。
2023年の全米平均は、81,359ドルで、2021年~2023年の伸び率は、3.6%と最もインフレ率が高かった同時期の平均インフレ率5.6%を下回っており、実生活としては厳しい感覚と思われる。2016年から2023年では、年平均4.2%で上昇しており、企業にとっての負担感は相当重いと思われる。
2016年~2023年の全米平均賃金(ドル)

2021年~2023年の産業別平均賃金(ドル)




職種別に賃金を高い順で見ると、やはり証券・投資が277,235ドルでトップ、ついで情報およびデータ処理サービスの227,905ドル、そして石油・ガス採掘の210,864ドルと続く。
上位10職種は、米国の主要産業と言える金融、IT、エネルギー関連で占められている。
2021年~2023年の平均賃金(ドル)のトップ10職種

2021年~2023年3年間の平均伸び率でみると、鉱業サポート業務の8.0%がトップ、次いで農業の7.8%、そして石油ガス掘削の7.3%と続く。石油・ガス関連は、金額でも伸びでも大きくなっていっていると言える。一方、減少している職種としては、映画及び音楽産業がマイナス6.5%が最も大きく、次いで、情報およびデータ処理サービスのマイナス2.8%、そして証券・投資のマイナス2.1%と金融・IT関連は伸びていない。
2023年の賃金(ドル)と上昇率(対2022年)の散布図
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製造業では、コンピュータ、エレクトロニクス製品の156,643ドルが最も高く、次いで、石油・石炭関連の139,547ドル、そして、化学製品の115,648ドルと続く。製造業で一番低いいのは繊維および繊維製品の58,139ドル。それでも今の円レートでは800万円を超えており、いかにアメリカの人件費が高騰しているかが分かる。
2023年時の人件費上昇率(対2022年)が平均インフレ率5.6%を超えている職種と減少した職種

(データ:Bureau of Economic Analysis)