今の世界を知る "元の" データ集 / 統計分析、因果推論

鉄鋼 各国の生産量 2020年~2024年

日本製鉄とUSスチールの買収の行方や鉄鋼、アルミの輸入への25%関税など、金属に注目が集まっている。トランプ新政権は、中国の鉄鋼をターゲットにしているが、改めて、世界各国の粗鋼の生産量(千トン)をみてみた。

2024年の全世界の粗鋼生産量は18億8,139万トン。国別内訳をみると、中国が10億50万トン(53%)で圧倒的な生産量。ただ、5年間のCAGRでみるとマイナス1.4%と中国国内需要の低迷の影響を受けていると思われる。次にインドの1億4,959万トン(8.0%)、そして、日本の8,401万トン(4.5%)、アメリカの7,945万トン(4.2%)と続く。

2024年粗鋼生産量(千トン)各国割合

2020年~2024年 粗鋼生産量(千トン)トップ20ケ国

中国の生産量は圧倒的で、2位のインドの7倍、3位の日本の12倍にあたる。それを別核として2位以下をみてみると、インドの成長が著しい(CAGR10.5%)。一方、日本は0.2%、アメリカが2.2%と停滞気味。トップ20位の国でCAGRが5%を超えているのは、インド、インドネシア、エジプト、サウジアラビアの4ケ国のみ。

2020年~2024年の粗鋼生産量(千トン)の推移(中国除く)

トランプ大統領は、25%の関税で、鉄鋼の生産拠点をアメリカに移転させようとしており、一部は実現するかもしれないが、これだけの生産量の差があり、かつ、大規模な設備が必要で、それらを整備していくのに長期的な時間が必要という状況の中、どれだけが回帰できるのか疑問。関税でどこまで実現させようとしているのかの意図がみえない。

2024年国別粗鋼生産量分布(*見やすくするために生産量の対数をとっている。黄色:生産量大 ⇔ 濃い紫色:生産量小)

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データ:World Steel Association